今回も、オバマ氏の演説術から学んでまいりましょう。

前回のテーマは≪フォーカス≫でした。

オバマ大統領の演説は
時間や物質を超えたさまざまな視点から語られており
それによって、話にダイナミズムが生まれたのでした。

そして、今回のテーマをかみ砕いてお伝えすると
「相手に分かるように訴える」というものです。

実は、相手に分かるように訴えるには3つのコツがあります。

1.相手に対して、「伝えたい」という姿勢を見せる

2.できるだけ「分かりやすい言葉」を使う

3.自分のポジショニングを考える

もちろん、上記の3つだけが、オバマ大統領の演説が、
人の心を動かす全ての要因ではないのですが
この3つがなければ、オバマ大統領の演説は
ここまで人々の感動を呼ばなかったと思います。

それでは
「相手に分かるように訴える3つのコツ」について
1つずつ解説していきましょう。

1.相手に対して、「伝えたい」という姿勢を見せる

オバマ大統領の演説は原稿を見ないでしゃべっています。

もちろん
事前に講演する内容は考えてあるでしょうから
10分以上にわたるスピーチの原稿を丸暗記していることになります。

すごい努力ですよね。

少し考えていただきたいのですが原稿を読みながら話す人と、
原稿を見ないで相手の顔を見て話す人とでは
どちらに好感を持つでしょうか?

答えは明らかですよね。

2.できるだけ「分かりやすい言葉」を使う

オバマ大統領の演説を収録したCD(本)は
日本でも、とてもよく売れたようです。

オバマ大統領の演説は
とても簡単でわかりやすい単語で作り上げられています。

例えば、Dream,Change…中学生で習う英語レベルです。

また、文法も固い言い回しではないので
日本人が英語を勉強するのにも最適な教材になるのでしょう。

さらに、使う単語がカッコイイんです。

夢・可能性・未来・勝利…

私は、バイオリズムや潜在能力について教える
溝口メンタルセラピストスクールで、

生徒たちに
「5歳の子どもにも分かる言葉で相手に伝えよう」
と、毎回話しています。

わかりやすい言葉で話すというのは
一見すると簡単なようですが、意外と難しいんです。

5歳の子どもに何かを伝えると
「うん、わかった」とは言いますが
その後の行動を見ていると
自分の伝えたことがほとんど伝わっていないと愕然となります

3.自分のポジショニングを考える

あまり、触れられていませんがオバマ大統領は高学歴です。

ハーバードのロースクールにも在籍していたようです。

でも、そのことはあまり報道されていないようです。

なぜならば、オバマ大統領は
「高学歴である」という土俵で勝負をしていないからなんです。

つまり、そこが彼の”ウリ”ではないのです。

なぜならば、ライバルはみんな高学歴だから。

だから
自分が周りとの差を見出すにはどうしたらよいかを考えて
“若さ”や”変化”を前面に出したのでしょう。

もし、オバマ大統領が
「自分は政策通である」という触れ込みで選挙戦を闘っていたならば
ヒラリー議員に負けていたと思います。

なぜならば、「政策」という立場(ポジション)で戦うと
ヒラリー議員に軍配が上がるからです。

また、国民もオバマ大統領に対して
政策通であることを望んではいないと思います。

つまり、自分が相手から見て
何を期待されているかということを察知して
それを速やかに提供することが、よい演説をする上で欠かせないのです。

「自分に有利なポジションを考えて
 5歳の子どもにも分かる言葉で熱意を持って伝えよう」

これぞ、溝口流≪講演3原則≫です。

ポジションを意識することの重要性
5歳児にでもわかるわかりやすい表現
そして熱意

社会人になれば人前で話す機会が増えてくるもの。

是非とも、これらを使って感動を与える話をしてみてください。