オバマ氏を題材にしたメルマガを
既に数回書いていますが、大変反響が大きく
「オバマ氏の成功要因についてもっと話を聞きたい」
という声を多数いただきました。

そこで、今回は
「オバマ氏の戦略~一貫性の法則」と題して
一貫性についてお話させていただきます。

あなたもご存知の通り
オバマ氏が次期大統領に当選いたしました。

オバマ氏は言葉を使って人の心をつかむのが
非常にうまいことについて、既にメルマガで書きましたが
なぜ、それほどまでに人の心をつかむのがうまいのか?

それは「一貫性」にあります。

オバマ氏は選挙の最初から最後まで
「CHANGE」という言葉を
終始一貫して使っていました。

実はこれが非常に効果的だったのです。

私たちは、一貫した態度や言動を持つ人を
好む傾向があります。

逆にいえば、
我々は一貫していない人を極端に嫌います。

たとえば、

「部下に対して厳しいのに
 自分に甘い上司」

「子どもの前でいつも偉そうなことを言っているのに
 非常識な学校の先生」

「”嘘を言ってはいけない”とテレビでは言いながら
 平気で嘘をつく政治家」

「”人の命を救うのが仕事”と言っておきながら
 患者よりもお金を優先する医者」

こんな人に出会ったら
あなたは不快な気持ちになるのではないでしょうか?

今まで築いてきた信用も
一瞬にして崩れてしまうかも知れません。

だったら、あまり褒められたことではないですが
下記の人のほうが
まだ、ましだと感じるはずです。

いかにも悪そうな見かけで、本当に悪い人

「俺は自分に甘いよ」と普段から言っていて
本当に自分に甘い人

「嘘も方便」と言いながら、嘘をつき続ける人

うーん、まだこちらの方が
素直な気がしてしまうから不思議です。

そういうことを奨励しているわけではなく
結果は同じことであっても
一貫性があるかないかで
大きく印象が変わってしまうということは
おわかりいただけたのではないかと思います。

そういう点では
オバマ氏は「CHANGE」というキーワードで
終始一貫して選挙戦を戦ってきました。

「私が大統領になれば、世の中を変える」

という一貫したメッセージが
投票者の心を動かしたのではないでしょうか?

もし途中で、

『「CHANGE」も大事だけど
 金融危機が起きてしまったことだし
 今までのいい部分は残しますよ』

と八方美人な発言をしてしまったら、
今の地位と名声は得られなかったかもしれません。

では、オバマ氏も使っていた「一貫性の法則」を
日常に生かす方法はあるのでしょうか?

ここで、とても有名な書籍を1冊ご紹介します。

「ビジョナリー・カンパニー」という本ですが
ご存知でしょうか?

1994年に米スタンフォード大学の教授が著した経営書で
1995年に邦訳が発売されてから
日本でも数多くの経営者に影響を与えてきた名著です。

海外では、最高の経営書として
10年の時を経て今だに売れ続けているようです。

内容はというと
時代を超えて利益を出し続けている会社を
徹底的に調べ上げて、そこにある共通点を
見つけ出そうというものです。

その本の中で述べられているのですが
時代を超えてトップであり続ける会社には

≪利益を超えた、永続的なビジョン≫

があるそうです。

つまり、意思決定をする際において
明確な判断基準(ビジョン)=一貫性があるんですね。

一貫性を持って人と接したり
会社を運営していけば成功できるということは
どうやら疑いようがないようです。

ただ、一貫性を保って生きていくというのは
思っているよりもずっと難しいんです。

実は、一貫性を保つ上で、強大な敵がいます。

それは、”自分自身”です。

世の中にはいろんな立場の人間がいます。

だから、すべての人から同意を得るということは
不可能に近いんです。

にもかかわらず、人によく思われたい、
あるいは何かを勝ちたいと思うがゆえに
信念や一貫性が揺らいでしまいます。

あるいは、「昔とは環境が変わった」と言って、
外部要因を理由に方向転換することがあるかもしれません。

または、物事や人を好き嫌いで判断して
一貫性を欠いてしまうこともあります。

心が揺らいでしまいそうなとき、
このメルマガの冒頭を思い出してみてください。

人は一貫性のない人が大嫌いなんです。

たとえ悪いことであっても、
一貫性があった方がまだマシなんです。

ですので、まずは明確なビジョンを持ちましょう。

自分のポジショニングをはっきりさせてください。

世の中すべての人を納得させることはほぼ不可能です。

明確なビジョンを掲げ、それに対してブレることなく
行動や態度に一貫性を持たせよう。

一貫性は決して崩してはいけない。

我々は一貫性のない人が大嫌い!

これぞ、溝口流「一貫性の法則」です!