ここ数回、オバマ氏の記事を書いています。

オバマ大統領の誕生エピソードからは
読者であるあなたにも参考になることが
たくさんあるからです。

ということで、今回は
『言葉の威力』をテーマに進めていきますよ。

オバマ氏は本当に言葉を使って
人の心をつかむのがうまいです。

選挙戦の時も「CHANGE」という言葉を連呼して、
シンプルに相手の心に訴えかけてきます。

昨日行われたオバマ氏による大統領就任決定の
スピーチ(acceptancespeech)も
最高に素晴らしかったです。

全文は下記のURLから、日本語で読むことができます。

http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20081105-05.html

英語はこちらから

http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20081105-06.html

動画

http://elections.nytimes.com/2008/results/president/speeches/obama-victory-speech.html

あまりに素晴らしかったので、
あなたもぜひ読んでみてください。

一部を抜粋させていただくと、
出だしの部分(ここはすごく大事ですよね)は
以下の内容から始まります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アメリカは、あらゆることが可能な国です

それを未だに疑う人がいるなら
今夜がその人たちへの答えです

建国の父たちの夢がこの時代に
まだ生き続けているかを疑い
この国の民主主義の力を未だに疑う人がいるなら
今晩こそがその人たちへの答えです

この国が見たこともないほどの大行列が
今日、あちこちの学校や教会の周りに
伸びていました

並んだ人たちは3時間も4時間も待っていた

人によっては生まれて初めての経験でした

今度こそは違うと信じたから
今度こそ自分たちの声が違う結果を
作り出せると信じたから
だからみんな並んだのです

そしてそうやって並んだ人たちが今夜
疑り深い人たちに答えを示したのです

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

決して自分の勝利をひけらかすわけではなく

“この結果は「CHANGE」を信じた皆さんの勝利です
そして我々は自由を勝ち取ったんです”

と言わんばかりに
みんなの勝利だと言うことを強調しています。

さらに

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

私たちは今まであまりにも長いこと
あれはできないこれはできないと言われてきました

可能性を疑うよう、シニカルに恐れを抱いて疑うように
言われ続けてきました

けれども私たちは今夜
アメリカに答えをもらったおかげで
手を伸ばすことができたのです

歴史を自分たちの手に握るため
より良い日々への希望に向けて
自分たちの手で歴史を変えるために

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これを読んでいる私たちも
心の底から勇気がわいてきますよね。

私たちには無限の可能性がある、
まさにその通りだと思います。

スピーチの後半では
オバマ氏を支持する106歳の黒人女性
クーパーさんの目から見た
アメリカの100年を語るという
斬新なスタイルをとっています。

そして最後に
“Yes,we can.”と分かりやすいキーワードで
みんなでアメリカを変えていこう、
みんな手伝ってくれと訴えかけます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

女性は沈黙させられ
女性の希望は否定されていた時代にあって
クーパーさんは生き続け
女性が立ち上がり、声を上げ
そしてついに投票権に手を伸ばすのを
目撃したのです

Yes we can

私たちにはできるのです

アメリカの大草原に絶望が吹き荒れ
大恐慌が国を覆ったとき
クーパーさんは「新しい契約(ニュー・ディール)」と
新しい仕事と新しく共有する目的意識によって
国全体が恐怖そのものを克服する様を
目撃しました

Yes we can

私たちにはできるのです

この国の湾に爆弾が落下し
独裁が世界を支配しようとしたとき
時の国民が立ち上がり、偉業を達成し
そして民主主義を救うのを
クーパーさんは見ていました

Yes we can

私たちにはできるのです

クーパーさんは
(人種隔離政策が行われていたアラバマ州)モンゴメリで
バスが黒人を差別するのを知り
(同州)バーミングハムで警官が
消火ホースの水でもって黒人を抑圧するのを知り
(流血のデモ行進が行われた同州)セルマの橋を知り
そしてアトランタからやってきた牧師と
時代を共有しました

アトランタからやってきたその牧師は人々に
「We shall overcome(私たちは克服する)」
と語った

Yes we can

私たちにはできるのです

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今までは、「CHANGE」というキーワードで
国民の心をつかみ取り
そして、当選してからは「Yes we can」
非常に明確で心に残るメッセージです。

英語を見ていただくとわかるのですが
スピーチ内でオバマ氏は
「I(私)」という言葉よりも
「We(私たち)」という言葉を多く使っています。

これも国民の一体感を盛り上げるのに
一役買っているのでしょうね。

日ごろ何気なくつかっている言葉も
意識して繰り返したり、訴えかけることで
相手への影響は、ずいぶん違ってくると思いませんか?

ぜひ自分の口癖や
相手に対するときの言葉のチョイスなどを
振り返ってみてください。