私は、メンタルセラピストとして
顧問法人向けにセミナーをさせていただく機会が
多いのですが、毎回の講演の中で
“人”について言及しています。

その理由としては
「会社とは結局は人の集合体なので
 一番大事なのは人である」
と私は考えているからです。

そこで、今回のメルマガでは
「優秀な人材の見つけ方」と題して
ちょっと変わった、「優秀な人材発見方法」について
お話ししたいと思います。

そもそも、優秀な人間とはどんな人なのでしょうか?

私は「抽象的に物事を考えられる人」だと思います。

ちょっとわかりにくいでしょうか?

物事を抽象的に捉えられる人というのは
似たような場面に出くわしたときに、
自分の持っている経験や知識から
正確な解答を導き出せる人のことです。

たとえば、算数の授業で、図形の勉強ってやりますよね。

ひし形や、台形、長方形、正方形は
一見すると違うものの様に見えますが、
どれも「四つの辺で囲まれている」
という性質を持っているので「四角形」と言えます。

優秀な人材はこれらの共通項を早く見つけて、
グループ分けすることに長けています。

これは、勉強に限ったことではなく、
スポーツにも当てはまります。

以前イチロー選手が、凡打に終わったあとに
「ヒットを打つコツがわかった」と
コメントしていたことがあります。

きっと、イチロー選手は
「ヒットか凡打か?」という枠組みではなく
「バットにボールを当てる」という観点から
物事を見ていたから、上記のようなコメントが
出たのではないかと思います。

ここまでの話で
優秀な人材は抽象的な思考に優れており
物事を立体的に捉えてグループ化することで、
さまざまな場面で応用をきかせることができる
ということは、わかっていただけたかと思います。

では、抽象的な思考ができるのは
一部の天才だけなのでしょうか?

私はそうではないと考えています。

つまり、誰でも抽象的な思考はできると思います。

ただ、それが得意な人と得意でない人がいるのです。

人は誰でも抽象的な思考ができるという例を
お見せいたしましょう。

あなたが「椅子とはどんなものですか?」と聞かれて
「椅子とは4本の足で背もたれがついている家具です」
と答えたとします。

でも、背もたれがついていない丸椅子や、
足がついていないソファーをみても
あなたはきっと「これは椅子である」
と言えるのではないでしょうか?

これは、あなたの頭の中で、
「椅子とはだいたいこういうものである」という
「抽象的な理解」があるからです。

だから、ちょっと変わった形状の椅子を見ても、
はじめて見るような形状の椅子を見ても
「これは椅子である」という断定ができるのです。

これを普段の生活や仕事の中でどれくらい発揮できるかが、
優秀な人材とそうでない人材を分けるのです。

では、どうやったら抽象的な思考ができる人材を
見つけることができるでしょうか?

優秀な人材が集まっているとされるGoogleやMicrosoft。

彼らは一風変わった面接試験をすることで有名です。

たとえば、

「南へ1キロ、東へ1キロ、北へ1キロ歩くと
 出発点に戻るような地点は、地球上に何カ所ありますか」

「どうやってM&Mチョコレートを作るか?」

*答えを知りたい方は「ビル・ゲイツの面接試験」という書籍に
書かれているのでそちらをご覧ください

これらは結局
抽象的な思考をどれくらいできるのかを調べているのです。

しかしながら、抽象的な思考ができる人を探すといっても
なかなかGoogleやMicrosoftのような
変わった問題を作成するのも大変そうです。

ではどうすればよいか?

実は簡単です。

「たとえ話が上手な人を採用するのです!」

………。

いいですか、とても大事なのでもう一度言います。

「たとえ話が上手な人を採用する!」

これだけです!

たとえ話が上手な人は
物事をきちんと抽象的に捉えることができているから
似たようなケースのたとえ話を話すことができているのです。

そこで、入社試験の際にこういう質問をしてみてはいかがでしょう?

(コンピュータの会社であれば)
「CPUと、ハードディスク、メモリについて、
 身近な例えで説明してください」

優秀な人材でしたら、こう答えるかも知れません。

「CPUはコック、ハードディスクは冷蔵庫、メモリはまな板です

 コンピュータは冷蔵庫から取り出したデータを
 まな板の上に乗せてコックさんが調理します

 だから、メモリを増やすということは
 まな板を大きなものに取り替えることで
 コックさんが仕事をしやすくすることです

 だから、メモリを増やすと処理が早くなるのです

 ただし、コックさんが優秀でないと
 広いまな板があっても処理できません

 つまり、CPUが優秀でないと
 メモリをいくら増やしても意味がないのです」

抽象的な思考ができる人間を探そう。
変化に強い組織ができるはずだ!

これぞ、溝口流「人材発掘術」です。