あなたは阪神タイガースの
「金本知憲」選手をご存知でしょうか?

彼は現在、連続試合全イニング出場が「1218」(2008.5.7時点)という
世界記録を保持しています。

野球が好きでない方は
いまいちピンと来ないかもしれませんが
これはとてつもない記録です。

生き馬の目を抜くプロの世界で、
怪我をしても監督が変わっても
10年間レギュラーで居続け
途中で交代もせずに
最後まで戦い続けるのですから、
並大抵の記録ではありません。

そんな”鉄人”金本選手に
大惨事が発生しました。

それは5月7日の巨人対阪神戦のことです。

巨人の木佐貫投手が投げたボールが
彼の後頭部を直撃したのです。

「金本の世界記録がこれで途切れてしまう。」

球場内は凍りつき、
ゴールデンウィークに観戦に来ていた
野球ファンは誰もがそう思いました。

しかし、彼は立ち上がり、
なんと次の打席でホームランを打ちました。

結果、阪神はこの試合に勝利しました。

試合後、金本選手は病院へ直行し、
「左後頭部打撲」と診断されたそうです。

常に体を鍛え続けているプロ野球選手でも、
頭部にボールが当たって
プレイし続けることが出来る選手は
彼しかいないのではないでしょうか。

私はこの試合をテレビで見ていて、
金本選手がデッドボールを受けて
会場が凍りついた瞬間も
彼がプレイを続けるであろうことを
確信していました。

なぜ私はそのように考え、
そして実際にそうなったのでしょうか?

そこには、金本選手だけが持つ、
ある秘密が隠されています。

それを考えるうえで、非常に参考になる
第20代商青連会長”大脇唯眞”氏の
言葉を紹介しましょう。

「真剣にやると、知恵が出る。
中途半端にやると、愚痴が出る。
いい加減にやると、言い訳しか出てこない。」

私は長年経営者をやっていますが
この言葉はなかなか核心を突いています。

ここでいう”真剣”とは、
“必死”という言葉に置き換えても
いいかもしれません。

他に手立てがなく、
わき目も振らずに
ただひたすら前に突き進むしかない状態

私はこのような心理状態を
「バックドアを閉める」状態と表現しています。

つまり、”逃げる”という
後ろ向きな選択肢を閉じてしまう。

窮鼠猫を噛むではないですが、
退路を断たれたネズミは
ネコに向かっていくしかないのです。

中国の故事成語にも
「背水の陣」などという言葉もありますし
イメージがしやすいのではないでしょうか?

それでは、先ほどの
阪神の金本選手の話に戻りましょう。

なぜ、彼は頭にデッドボールを受けたのに、
その後もプレイを続けられたのか?

なぜならば、彼には
「休む」という選択肢が
頭の中になかったからです。

つまり、目の前にある
「プレイをする」という扉は開いていたけど
背後にある「休む」という扉は
閉まっていたんです。

だから、彼は前に突き進んだ。

いや、前に突き進むしかなかった…。

金本選手のバックドアを閉めたのは、

●「精神力」⇒彼の人間力
●「ファンの声援」⇒阪神ファンによる熱狂的な応援
●「過去の積み重ね」⇒世界記録更新中

だと私は思います。

つまり、周りの人の力や
過去の自分も少なからず影響しているわけです。

ここが大事なんです!

自分を追い詰めただけでは
バックドアは閉まらない。

そこに+α(プラスアルファ)が必要なのです。

これはダイエットを決意して
自分を追い詰めても3日後には
元通りの食生活に戻ってしまう人を見れば
わかりますよね。(+αがないケース)

単に自分を追い詰めるだけでなく
自分の過去や周りの声援(ときには罵声も)を
エネルギーに変えたときに、
本当にバックドアが閉まるのです。

これが溝口流「バックドアを閉める」奥義です。

もちろん、心に余裕を持たせることは
必要なことです!

でも、時には自分を追い詰めて、
能力を最大限に発揮する場面も
必要ではないかと思います。

そうすれば結果は必ずついてくる、
これまで多くの方の成功のお手伝いをしていて
確信しています。

あなたには
バックドアを閉める場面はありますか?

もしかしたら、今この瞬間が
バックドアを閉める時なのかもしれません。